『君の膵臓をたべたい』住野よる(双葉社)
「君の膵臓がたべたい」
タイトルにどきっとする。
タイトルで想像していた話とは違ったので、その点は面白かった。好き嫌いはわかれそうだけど、タイトルの引きのよさ。内容は「セカチュー」みたいな。これは「キミスイ」って略すんですね。
タイトルの理由はぜひ読んで知って下さい。
中高生に人気がでそうな、マンガチックで読みやすい感動小説って感じかな。
映画化もされるんですね。本と少し話が違うのかな。
「共病文庫」
高校生の「僕」は、たまたま行った病院で文庫本を拾う。
それは、同じクラスの人気者「山内桜良」が書いた日記帳だった。
その「共病文庫」によると、彼女は膵臓の病気により1年ほどの余命しかないことが書かれていてーーー
気づく。
全ての人間が、いつか死ぬようになんて見えないってことに。
僕も、犯人に殺された人も、彼女も、昨日生きていた。死ぬ素振りなんて見せずに生きてきた。そうか、それが、僕の今日の価値も同じということなのかもしれない。
「教えてあげる。桜は散ってから、実はその三ヶ月くらい後には次の花の芽をつけるんだ。だけど、その芽は一度眠るの。暖かくなってくるのを待って、それから一気に咲く。つまり、桜は咲くべき時を待ってるんだよ。素敵じゃない?」
違う選択もできたはずなのに、僕は紛れもない僕自身の意思で選び、ここにいるんだ。
以前とは違う僕として、ここにいる。
そうか、今、気がづいた。
誰も、僕すらも本当は草舟なんかじゃない。流されるのも流されないのも、僕らは選べる。
ヤルもヤラナイのもそのひとの選択。
「する」ことが選択だって思われがちだけど、「しない」ことだって立派な選択。
例えば、選挙の投票だって「興味がないから、いかない」って選択は「多数意見に従う」っていう選択をしたことと同じだ。
誰かと比べられて、自分を比べて、初めて自分を見つけられる。
それが、「私にとっての生きるってこと」。
だけど君は、君だけは、いつも自分自身だった。
君は人との関わりじゃなくて、自分を見つめて魅力を作り出していた。
私も、自分だけの魅力を持ちたかった。
自分を考えなきゃいけないシーンは、就職活動の
「あなたの強みはなんですか?」が一番最初だったかな。
ただただ義務教育を過ごしていたら、意外と出会わないんですよね。じっくり自分のことを考える機会って。それよりも、ルールに従う、集団の一員になることを求められちゃう。それを守れるのが「よいこ」とされる。大人になって思ったけど、つくづく不思議だなあ。その理由を考える機会って(さして疑問を持たなかった自分のせいでもあるけど)、なかった。誰かがなにかの「係」にならないと、こんな便利な生活は送れないんだろうけど、その代償なのかな。
(沈没船ジョークって、「まさに」ですよねー。営業さんの殺し文句で「みなさん買ってますよ」って言ったり、買う側も「人気あるのってどっちですか?」って聞いたり。「みんな」やっている・持っている安心感って刷り込まれてるんだろうな。わたしもつい初めて入ったお店で「おすすめってなんですか」って聞いちゃうんだけど。)
各国の国民性を的確に表した『沈没船ジョーク(タイタニックジョーク)』とは? エスニックジョークで英語を学ぶ - TOEIC TOWN (トイックタウン)
最近、
「わたしのギフトはなんだと思いますか」
「わたしの強みはなんだと思いますか」
っていう質問に答える機会があって(自分のではなく、知り合いの)。
両方ポジティブかつ人に対してのことなのに、結構時間がかかったのでした。うーん。
あなたのギフト・強みってなんですか?
あなたはこれからの生活でなにをしたいですか?
あなたは、余命1年って言われたらなにをしたいですか?