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こつこつ読書感想文📝

『ボクたちはみんな大人になれなかった』燃え殻(新潮社)

 

こんなラブレター、初めて読んだ。

 


燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』PV|新潮社

ボクたちはみんな大人になれなかった

ボクたちはみんな大人になれなかった

 

 

彼女はボクにとって、友達以上彼女以上の関係、唯一自分よりも好きになった、信仰に近い存在だった。ボクが一番影響を受けた人は、戦国武将でも芸能人でもアーティストでもなく、中肉中背で三白眼でアトピーのある愛しいブスだった。

 

もう4〜5年前になるんだろうか。

当時、燃え殻さんは、わたしにとって「東京のひと」の代名詞で、画面越しの世界のボンヤリ優しい光のような存在でした。

大体深夜にぽつりぽつりとツイートがあって、仕事をどうにか終わらせてベッドに潜り込みながら「毎日こんな時間まで働いているひともいるんだなあ。あー、明日もがんばろー」って、ツイートをみていた。

明るすぎると目が眩む。暗すぎるとこわくなる。ボンヤリ、お腹の底があたたかくなる優しいあかり。

 

去年、「やっと調子が出てきた」って、冗談交じりにおっしゃってましたけど、こんな本を読んじゃったら、「もっと調子出していって下さい」というのがファンの本音です。なんて。

www.1101.com

 (「東京」の代名詞だった 燃え殻さんが初めてみれる!って、ドキドキしながらいったイベント。みなさん個性がばらばらで面白かったなあ。100冊読み出した、きっかけのひとつ。)

 

「キミの身体にもたくさんの成仏していない言葉がつまっているんだよ、きっと」

「俺には何もないよ」ボクのことを一番信じていなかったのは、ボクだったのかもしれない。ボクの鼓動と雨音と彼女の呼吸が重なる。「大丈夫」と彼女が言った。

 「キミは大丈夫だよ、おもしろいもん」

  

本屋さんで、箔押しのタイトルをみつけたとき「宝探しみたい」って思った。

きらり、きれい。

 


スカート / 静かな夜がいい【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

 

本にでてくる音楽と迷ったけど、わたしのBGMはこの曲でした。

読んでいて、映画みたいに音楽が鳴っていた。

 

しかし、古賀史健さんが帯によせていた「かさぶたの文学」とは、言い得て妙ですね。

忘れたふりをしていたあのころの傷が、じくじくと痛む。

不器用だった(今も絶賛不器用だけど)恋愛もだけど、

小沢健二はわたしの王子様です」で、血が吹き出ましたよ。「きゃーー!」つって。

ああ、脱いだはずの青春スーツが目の前に。(出典:ハチクロ

90年代、文通、渋谷系、Olive、Hot-Dog PRESS、ケイタ・マルヤマ、アニエスベー

どれかひとつでも、チクっと来たなら、楽しめるんじゃないかな。

(500)日のサマー、モテキ にもハマっていたなら、なおさら。

 

こうしている間にも、刻々と過去に仕上がっていく今日。達観した彼女の今日も、まだアップダウンを繰り返しているボクの今日も、先に続いているのは、未来であって、過去じゃない。どんな無様でも「大人の階段」は上にしか登れない。その踊り場でぼんやりしているつもりだったボクも、手すりの間から下を覗いたら、ずいぶん高い場所まできていて、下の方は霞んで見えなかった。

 

その頃のぼくらと言ったら こんな調子だった

 


小沢健二 featuring スチャダラパー - 今夜はブギー・バック(nice vocal)