=== memo ===

こつこつ読書感想文📝

『僕の好きな人が、よく眠れますように』中村航(角川書店)

僕の好きな人が、よく眠れますように。いつの日も、これからどんなことがあっても、健やかに眠れますように。(P212)

ラーメン屋さんに並んでいた1時間ほどで読み終えてしまった。

 

僕の大学院に、ゲスト研究員として北海道から女の子がやってきた。
くるくる表情を変える可愛らしい女の子。
僕らは、毎日、同じくらいの時間に学校に来て、同じくらいの時間に帰った。
一緒にマウスの世話をして、白衣を着たまま昼食をとり、いろんな話をした。
どんどん彼女の魅力に惹かれていき、
「好き」だと意識するのに時間はそうかからなかった。

ただ、彼女は「人妻」だった。学生結婚をしていたのだ。 

はっきり言ってしまうと「不倫の話」です。

不倫の話だけど、どろどろした点はまったくなく、すべてが甘く柔らかいファンタジーの世界。

「何だか北海道が好きになってしまった。北海道の形が好き。ハナサキガニも雪虫もコロボックルも、パイロットファームも、クラーク博士も、めぐも好き。めぐは特に好き。月!」

なんてメールを帰省中の彼女に送ってしまうくらいの溺れっぷり!

(好き!を月!って!!!!!)

 

ごくごく最近、「『楽しい』だけを共有しようってふたりで決めた」恋愛をしているというひとに会いました。
まさに、この本の主人公 山田さんとめぐの関係だな、と。
(その方達は不倫じゃないよ。)
彼らは公然に付き合ってはおらず、今後結婚もしないだろう、と。
ただ、お互いを「パートナー」だと思っている、と。

ひとさまの恋愛をとやかく言うほど野暮なことはないのだけど、今までの自分にない価値観だったから驚いたというのが本音。

 

正しさと間違いは、シーソーの両端にあるわけじゃない。当たり前のことだけど、正しさは間違いを内包していたり、間違いの前提として正しさがあったりする。(P30)

 

山田さんとめぐも ただただ「楽しい」だけ。
物語のなかに、北海道にいるめぐの旦那さまのことはまったくでてきません。
そこが、バカップルよろしくのファンタジーっぽさを出しているのかも。

 

「恋ってのは、寸止めが一番美しいんだよ。」(P57)

 


星野 源 - くだらないの中に 【Live from “YELLOW VOYAGE”】

 

魔法がないと不便だよな
希望がないと不便だよな!

『はじめての人のための3000円投資生活』横山光昭(アスコム)

人生でやりたいことがわかると、自然と必要なお金がわかります。でも、「お金がないせいで、人生が楽しめない」「やりたいことがやれない」「夢が叶わない」。
それでは、せっかく頑張ってきたのに、やりがいがありません。

本のタイトルだけで、つかみはオッケーですよね。
5000円だったら「ふ〜ん」って感じだと思う。

『年収200万円からの貯金生活宣言』も読んだなあ。

年収200万円のひとができるなら、わたしだって!と思いませんか?
ほんと、タイトルのつかみがすごい!

この本は、
コツコツ長期投資の教科書で、
短期で利益を得るためのものではないです。

10年〜30年かけて着実に資産を形成していく方法が具体的に書かれています。
以下、ざっくりと気になった点を抜粋。

プロローグ
・「貯金+投資」で目の前のピンチと将来の不安に備える

1. さあ、3000円投資生活を始めよう
・ 最初に購入する金融商品(バランス型の投資信託)を決めてしまえば、あとはほったらかしで大丈夫
・はじめての投資はネット証券が手軽でお得(おすすめは、SBI、楽天マネックスカブドットコム
・口座の種類は「源泉徴収なしの特定口座」
・ 基本は「バランス型の投資信託」から始める。
・スポット(一括)ではなく、「積立」で買う
・20万円以上の利益がでない場合は特にNISAはマストではない

2. 3000円投資生活なら「貯金感覚」でコツコツ増える
・「いざという時」の貯金は、月収の7.5ヶ月分
・ハイリスク・ハイリターン(金融機関のおすすめ商品、アクティブファンド、個別株、FX、etc)は望まず、あくまでもコツコツ!

3. 1万人の家計を見てきてわかった「投資の別れ道」
・証券会社への預金は銀行の普通預金よりもお得(MRF
確定拠出年金は3000円投資と似ていて、税制面でのメリットが大きい
・保険は「社会保障や貯金でまかなえない部分をカバーするもの」
・絶対にお金を減らしたくないなら「国債」を買うべき
・お金が貯まる生活習慣(ふるさと納税・格安スマホ電力自由化

4.ぜったいにやってはいけない、投資とお金の使い方
・賃貸不動産経営の成功率は、たったの1%
・外貨預金ほど恐ろしい「預金」はない。資産の一部を外貨で運用するなら、外貨建てMMFがおすすめ

 

自分の親世代、金利の最高が10%とかあったとかうそみたいですよね。

 

親世代は、運用なんてしなくても国のお陰でどんどん個人のお金を増やせた。

現在は、一番高くて0.5%

今後も日本の人口は減っていくばかりだし金利なんて上がらないだろうし「円」の価値も下がっていくばかりだろうなってことは、詳しくないわたしにだって想像がつく。

だから「国債」を買うことをおすすめしている点に関しては「?」でした。
だって、日本って財政破綻した過去があるじゃないですか。
(詳しい方からしたら、おばかな疑問なんだろうなあ。ううう。もっとこういうことも知っていきたい!)

とりあえず、なにごとも勉強かなと思い
ネット証券の口座開設を申し込みました。笑

 

「備えあれば憂いなし」かな?
お金に怯えるのではなく、味方につけたいものだな。

 


GLAY「百花繚乱」ミュージックビデオ(1コーラスver)


GLAYほどビックネームのバンドがお金の曲をつくるって、画期的ですよね〜)

『舞台』西加奈子(講談社)

俺は、自分自身に対して、演技をしている。自分を欺く者に、本当の姿などない。そのことだって、分かっていたはずだ。でも、やはり苦しいのは、そんな自分をどうしようもなく嫌だと思うからだ。俺は一生、この苦しみと付き合わなければいけない。自分を欺き、演じて、そのことに嫌悪し、だが決してやめられない。
俺はそうやって、一生、苦しんでゆくのだ。

 

29歳のこじらせ系男子「葉太」は小説家の父の遺産を使って、ニューヨークに観光に来た。
1日目にして全財産が入ったバックを盗難されてしまうが、自意識過剰すぎるために犯人を追いかけることもせず警察にも届けない。

正直、前半は葉太をみてて いらいらした。
そこまでして「守りたい自分」ってなに?と。
めんどうくさいな!と。はよ領事館に行きなさいよ、と。

そんな彼が 全財産を失ってニューヨークを彷徨い 精神を揺るがせながら必死に自分と向き合う様は考えさせられる。

西加奈子さんが巻末の対談でおっしゃっていたことが救いだし、答えじゃないのかな。

何かが助けてくれるわけじゃなくて、自分の気持ち次第で最初に食べたごはんも美味しくなる。
誰に言われたわけじゃなく、自分の気持ちで景色が変わるということを、いろいろな小説で書きたいと思っていて『舞台』ではとくにそれが書きたかった。


「つまんない」ばっか言ってた
つまんなさ世界のせいにしてばっかいた


高校生の時に衝撃をうけた加藤千恵さんのかんたん短歌をふと思い出した。
(当時は理解していなかったけどほぼ日に掲載されていたのですね。)

ほぼ日刊イトイ新聞 - 石川くん。

 

いつだって、人生はひとりひとりの「舞台」。
そしてきっと自分の気持ち次第で景色が変わる。
このことを忘れないでいたいな。


キュウソネコカミ - 「わかってんだよ」MUSIC VIDEO