『働くひとのためのキャリア・デザイン』金井壽宏(PHP新書)
ふいに本を貸してくれるひとが好き。
最近、かねてからしてみたかったという職業に転職したひとが貸してくれた本。
その時、初対面だったんですけれど。仕事の話になった時に「ああ、そういえば」って貸してくれたんですよね。嬉しかったなあ。
一貫して語られていたメッセージは、
「人生の節目のときには意識的にデザインすべきものがキャリアだ」
①自分はなにが得意か。
②自分はいったいなにをやりたいのか。
③どのようなことをやっている自分なら、意味を感じ、社会に役立っていると実感できるのか。
という問いは、節目にはぜひ問うべきハードルだ。
入社後三年目までの良好なキャリアの歩みをするうえで、新人の能力ばかりでなく、上司との「いい関係」をもつことが大事であることが判明している。入社後の幻滅感も最初の上司との関係がいいと緩和される。
上司と部下の人間関係、色々ありますよね。
これに関しては、言いたい。すごく、言いたい。
わたしは転職を一度しているのですが、
前の会社の上司は皆さん倫理的にしっかりしていたのだなあ、ということが転職してわかった事実。
なんでかというと、転職後一番初めに現場で一緒になった上司が見栄っ張りなのかなんなのか、ひどく「自分を守るための嘘」をつく人だったの。
多分ね、世の中の部下の大半は、上司のことを好きになりたいし、信じたいし、尊敬だってしたいと思うんですよ。
少なくとも、わたしはそうだった。
わからないことを適当にごまかしたり、できないことを引き受けて努力もしなかったり、最終的に自分の失敗を部下がやったことにするなんて、
本当に、本当に、あのひとなんだったんだろう・・・・!!!!!!
もし、わたしの行動がそうさせていたというのなら、わたしは、厳しかったのかもしれない。仕事で「適当でいいや」「誰かがどうにかしてくれるだろう」は、嫌いだから。
それに気付くと態度が冷たくなってしまう部分はあったと思う。指摘もするし。
だけど、だけどさ〜〜〜!
今思い出しても感情が渦巻くよ。はあ。
その人は、部下にはそんな態度ですが、上司の前では調子がいいので現在も経営陣のお気に入り。結果、ちょっぴりお咎めがあって終わり。
「会社は利用するもので、利用されるものではない」だから、過度の期待はしちゃいけないなって、改めて思った出来事だったな。
いい加減も嘘も許せないわたし。自分をよく見せるために嘘も厭わない彼。
彼の方が、器用なのかもしれない。
けど、そのどうしようもない見栄も嘘も「自分より立場が上のひとはそんなことするわけないから、自分の考えがおかしいのかな」って悩んでた当時のわたしに教訓として言いたい。
「おまえ、いいこすぎるぞ」
「タフでなければ生きていけない。やさしくなければ生きていく値打ちがない。」
前職は、恵まれていたんだろう。
「このひととわたしは価値観がまったくあわないんだ」って割り切ってからは、少し楽になった。それは、優しさではなく自己防衛としてだけど。
「このひとがこういう態度なのは、自分のせいなんじゃないか」って考えを、毎日会うひとに持つのはしんどかった。働いていると、あわないひともいる。
ひとに出会うのが好きで、今もプロジェクト方式の仕事に参加しているけど、自分にない価値観に触れて感動することもあるし、その反面こういうマイナス面もたまにはあるんだろう。きっとこれからも。
ああ、愚痴っぽくなってしまった。よくないね。
どんな仕事をするか?も大切だけど、この本にあったように「誰と働くか?」も最初の3年は(仕事に慣れるまでは)特に大切。
40歳を過ぎたら、人生から逆算して夢を叶えていくっていう考え方は、新しかったな。
例:5年ごとで車を買い換えるなら?
「<夢なんか(実現しっこない)>というひともいるが、実は<夢しか実現しないのだ>」