『美女は何でも知っている』林真理子(マガジンハウス)
林先生のカタカナの使い方が好きです。あと、口語。最後に「。」がないからなのかな。溢れ出る品の良さとかわいらしさ。
生活レベルが違いすぎておとぎ話のようなんだけど、洋服やダイエットや美容や恋愛の話題は全女性共通なんですね。ウン、ウン。わかる!と一気読みしてしまいました。
あー、美女になりたい!ふふふ。
「そうか、セレブ度というのは、露出と正比例するんだ」
銀座へ飲みに行ったら、ぜひお店を見渡して見て欲しい!
8割くらいの女性がノースリーブ着てるから。しかも、白ね。
どの季節でもそうだから、ベタって大事なんだなーと思います。間口の広さ。
たとえば合コンに行ったとする。男性が五人いた。五人ともブーだったら、たいていの女はさっさと帰る。
「だけど彼女は、せっかく合コンに来たんだから、絶対にモトをとってやる、この中でいちばんマシなのと、次のデイトの約束ぐらいはしておく、って人なんじゃないでしょうか」
好みがいなければさっさと帰るB子さん。
とりあえずひどい中でも「いちばん」を見つけるA子さん。
どっちが幸せになるかわからないけれども、ま、他から見てレベルが低いと思われても、ちゃんと美点を見つけられるのは確かに才能であろう。少なくとも、このタイプだと男の人が途絶えることはない。
わたしのまわりで、結婚してるひととしていないひとの差はまさにこれ。自分然りです。ため息しかでないなー。こわいなー。
「エイヤっと、いちばん身近な男に身をゆだねる。そんなに好きじゃなくてもいい。自分のことをうんと好きだと言ってくれる男にすべてを託す。一度人生を人まかせにする。その心地よさを試しにしてみるのよ」
人生を人まかせにするって考え持ったことなかったな。
自分がそんなに好きじゃなくて、自分のこと好きだと言ってくれるひとってちょっと気持ち悪いなって距離置いてしまいませんか。最近すぐ「きもちわるーい!」って言ってるからなー。世の中のみなさんはやっぱりそうじゃない方もいるのね。エイヤって飛び込む勇気も必要よね。あらためよう。
幸福というのも癖であるが、不幸というのも癖である。
うむ!
『私は存在が空気』中田永一(祥伝社)
サブカルに片足つっこんだ人はきっと通るであろう浅野いにおさんのイラストが目を引いて。わたしと友人の中では「浅野いにおさんの漫画が大好きなひとは、まわりに迷惑かけるタイプのメンヘラ(かまってちゃん)が多い」という偏見があります。真夜中にSNS投稿する系。我ながら、すごく失礼な偏見!
早見あかりさん主演の映画「百瀬、こっちを向いて。」の原作者さんなんですね。
サイトのつくりがかわいいな。あかりん、麗しい。
「サイコキネシス」「パイロキネシス」「瞬間移動」など、超能力を持って日常を過ごしている主人公達の短編集。
「私はB型、マイペースで自由奔放って言われるよ」
「人間を四種類の型に分類することで、すこしは相手を理解して気になれるんだ。天然という言葉もそう。星野泉という人間に、天然という枠組みをあたえることで、人間関係においての立ち位置が明確になる。星野泉という人間のままではどう接すればいいのかわからなくても、天然というキャラクターの扱いならテレビのバラエティ番組で演じられているから多少はみんなもわかっているんじゃないかな」
ひとは、なにかしら「理由」が欲しいんだろうな。
血液型にしても、星座にしても、占いを見ているとそう感じることがあります。
わからないって一番不安になるもんね。
調べていたら、乙一さんと同一人物なんですね。面白いなあ。
信者の方が多そうだから、それで別名も持ったのだったらもっと面白いのになって思ったら、そういうわけではないのかな。
『PRODUCERS' THINKING』高根順次(blueprint)
スペースシャワーTVの映画プロデューサーをされている、高根順次さんの本。
1〜3章は、ご自身がプロデューサーを務めた作品での例と共に考え方を、4章以降はリアルサウンドで連載されていたインタビューをまとめたものです。
PRODUCERS' THINKING “衝撃作"を成功に導いた仕掛け人たちの発想法
- 作者: 高根順次,発行:株式会社blueprint 発売:垣内出版
- 出版社/メーカー: 垣内出版
- 発売日: 2017/04/28
- メディア: 単行本
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第1章 プロデューサーとはどんな仕事なのか?
「フラッシュバックメモリーズ3D」
第2章 プロデューサーに必要な資質、考え方、行動
「私たちのハァハァ」
第3章 共に戦える”仲間”の見つけ方
「劇場版 BiSキャノンボール2014」
雑誌にせよ、映画にせよ、現代はあらゆるコンテンツがすでに出尽くしている状況です。そのため、かつて面白かった企画を現代的に焼き直したようなものが作られがちになります。もちろんそれはそれで意義があるやり方だし、成功することもあるでしょう。過去の作品のオマージュといえば、物づくりのマナーとしても聞こえは良いです。ある意味、焼き直しのコンテンツは安パイなのです。
しかし、そこには新たな視点はない、ただ焼き直しただけの作品では、70点は取れるかもしれないけど120点は取れません。
第4章 プロデューサーが持つべき”覚悟”
映画というのは、基本的に「なぜ?」と思わせるポイントがないとダメで。
第5章 ”奇跡の作品”が生まれるまで
「この世界の片隅に」沢村敬
画一的された作品を受け取るのではなく、多様な映画の中から自分の観たい作品を選ぶことができるのが、成熟した映画社会と言えると思います。嫌な気分の時に、あえて嫌な気分の映画を観て自分が救われることもあると思うんです。
第6章 作家主義を成立させるために
「恋人たち」深田誠剛・小野仁史
第7章 インディーズ映画のサバイバル術
SPOTTED PRODUCTIONS 直井卓俊
第8章 社会問題とドキュメンタリーの接点
「FAKE」木下繁貴
世間の声やコンプライアンスも怖いですが、一番怖いのは製作者側がそうした声に委縮して自らの表現を抑えてしまうことなんじゃないかなと、個人的には考えていますね。
第9章 王道回帰のドラマ作りが視聴者を呼び戻す
第10章 テレビと映画の垣根をどう捉えるか
「ディアポリス」横山蘭平・西ケ谷寿一
あの人の作品なら観てみたいっていうブランドを、もう一度作らなければダメですよ。そうじゃないと、永遠に”原作が何万部”というところにしか頼れなくなってしまう。
第11章 コンテンツの魅力を最大化する”場所作り”
立川シネマシティ 遠山武史
第12章 今、日本のエンタメ界に求められる作品とは
東京国際映画祭 矢田部吉彦
第13章 批判と向き合うための心得
無人島プロダクション 藤城里香
アートの世界だと今の瞬間も大事だけど、その先を見据えることが、今のこと以上に必要なんですよ。
第14章 ”ダイヤの原石”を見つけ出す方法
水曜日のカンパネラ 福永泰朋(Dir.F)
ただトレンドを押さえるだけではダメなので、プラスαでアホなことをするように心がけています(笑)
新しいものは、これまでのモノを良く研究した末にしか生まれないから、時間をかけた分、情熱も自然と宿るのではないかと。
高根さんを知ったのは「BiS」というアイドルの映画「BiS誕生の詩」のトークショーの際でした。
(こちらは後編というか続編。BiS〜はアイドル及びオーディションに参加した女の子たちがメインで、SiS〜はまわりの大人たちがメイン。わたしは後者の方が好み。)
まず、一応タイトルにメインであるだろうアイドル(BiSとSiS)の名前がついている。なので、でている「推し」目当てで観に来ているファンの方も多かったはず。
そんな中、トークショーで高根さんがなにげなく言った
「僕、オーディションに来ている女の子達に興味持てなかったですから。全然面白いと思わなかった。」
(ニュアンスはあっているはず。この後、「面白いのは、渡辺くん(BiSのプロデューサーの渡辺淳之介さん)とか」とつづきます。)
のひと言に驚いたし、自分の主観を大切にしている方なんだなあ、と感心したんです。
わたしだったら、あの場では絶対に言えないひと言!
このひと言で、この方が「面白い」って言っているものを観てみたーい!と思い、BiS〜を見た丁度次の日に公開だったSiS〜を公開当日に(なので2日連続で観た)のは良い思い出です。
「SiSメンバーがかわいそうで見ていられなかった」って感想もネットにはあったけど、わたしは、それも含めてもめちゃくちゃ面白いドキュメンタリーでした。
「SiSを振り回した大人」のおふたりを通して、やっぱり「仕事」がすきだな、「社会」にでていたいな、と改めて思ったというか。WACK教なんて言っていたけど、渡辺さんと働きたいと思う気持ちはわかるなと感じました。ずるい。上手い。
そんな経緯で手に取った本だったので、わたしが知りたいことが書いてある本ではなかったかな。
ただ、初めて知った映画も多々あったので、ぜひ観てみたいと思います。自分の知らない世界を覗きたいな。