『君の名は Another Side: Earth bound』加納新太(角川スニーカー文庫)
earth・bound
1〈根など〉地に固着している.
2〈動物・鳥など〉地表から離れられない.3 世俗にとらわれた,現世的な; 想像力のない,散文的な.
earth・bound
〈宇宙船など〉地球に向かっている.
言わずと知れた大ヒット映画の特別編。
三葉の体に入った瀧・幼馴染の勅使河原・四葉・宮水俊樹(三葉と四葉の父親)から見た「三葉」や「宮水家」、そして「糸守町」が語られた短編集。
悪いひとなんてひとりもいない。
このデザインすきだな。
みんな空で繋がっているんですね。みんな空の下 ですね(ふるいかしら)。
俊樹には、なにがしかの意味があって自分が生まれてきたという実感はない。自分の意思でなく生まれてきたが、生まれたあとは自分の意思ではなくここにいるという感覚は持たない。何を選ぶかによって自分が決まり、選んだことによって自分はある。そうした実存主義ふうの思想を俊樹は持っている。
なんだろう。やっぱり文章で読むよりも、言葉と映像と音楽が、完璧にバチっとハマっていた映画のほうが何倍も感動するな、と改めて思いました。
「前前前世」のシーン、身震いした。
音楽にも真摯に向き合っている方なんですね。(これは「言の葉の庭」についてのエントリですが)
Other voices-遠い声- » 新作アニメーション「言の葉の庭」の音楽について
去年みた SWITCHインタビュー も とても面白かった。
アニメ映画『君の名は。』心をつかむ 新海誠監督インタビュー 16.09.15
今回の「君の名は」に関して言うと、明日会うかもしれない人についての話でもある。夢の中で男女が出会う話だけれども、現実でも、明日誰か知らない人に会うかもしれない。あるいは何年後かにもっと大事な人に出会うかもしれない。
そういう人が未来にいることを、強く信じてもいい。「まだ会っていないひとの中にすごい大切なひとがいるかもしれない」(40:28)
ここのお話がすごく好きで、再放送がある度に見ていました。
今までに、そんなに大切なひとに出会っていないから、とかじゃなくって。
今までにも、友人だって、恋人だって、家族だって、影響を受けたひとや、仕事で育ててもらったひととか、その折々に大切なひとはいる。恋愛だけじゃないと思うんです。仕事でも、なんでも。「もっと大切なひとがまだいるかもしれない」!それは、わたしにとって燦々と明るい希望。
何回も自分に言い聞かせるように同じ事を書いている気がしますが、もちろん、苦手で会いたくないなって思うひともいるし、自分ひとりの時間こそめちゃくちゃ重要だって思うときもある。
けど、今までのわたしは、良くも悪くも出会ったひとで作られてきたと思うから。
会うひとによって、どんどん世界が広くなっていったと思うから。
「まだ会っていないひとの中にすごい大切なひとがいるかもしれない」
って思って生きていきたいんですよね。「すごい大切なひと」が、たったひとりしかいないとは限らないし。