『まろやかな狂気』夢眠ねむ(マーキー・インコーポレイティド)
やっと 手に取れた。
特別「推し」って感じではないけれど、特別「目を引くアイドル」
そんな彼女の、MARQUEEでの連載をまとめたものと、今までの作品集。
わたし、勝手に毎年「ハッとした ことば 大賞」が自分のなかにあるんです。
2015年度は彼女の「明るさは優しい」が、滑り込みで大賞受賞でした。
そのときの自分のメンタルともすごく関係しているんだけど、当時はSNSやっていても、なーんか、まわりのひとが自分の暗さに酔っている気がしてて。
他人のことなんで、仕方ないし、真意はわからないし、正直、知りたいとも思ってなかったんですけど。
でも、なんか見てて「くらう」というか。黒って、明るい色を塗りつぶせちゃうじゃないですか。自分の好きなものがつまっていたはずのタイムラインに墨をべちゃってかけられたみたいな。そんな気分でSNSがちょっといやになっていた時期で。
その時にこの投稿をみて、救われたんです。
お、おいしそう…😩!って。救われたのは、もちろん文章のほうで。笑。
「明るさは優しい」ほんとだなって。
(インスタ、まるっと載せられないんですね。設定の問題?)
誰だって、得体の知れない闇にのまれそうになることはある。だからこそ、自分は付き合い方を考えていきたいなって「明るさは優しい」が目に飛び込んできたときに改めて思ったんです。
そういうひとになりたいな、とも。そういうひとと一緒にいたいな、とも。
そういうひとを応援したいな、とも。
自分のどうしようもない面や愚痴は、本当に仲の良い友達に聞いてもらうのが一番だよなって。(っていいつつ、まだネットに投げ散らかしちゃうときもあるんだけどさ。気をつけよう。)
最近の「トゥルーエンド」発言もすごく面白いなって思って、もう、これは、今このタイミングで絶対読みたいぞ!と何度目かの正直でアマゾン先生を頼りました。
(タイミングがあわず、ずーっと売り切ればかり遭遇。本との出会いも、タイミングってありますよね。不思議。)
彼女なりの「トゥルーエンド」ってなんだろう!
ファンの方はどう捉えていらっしゃるんだろう!
表現のひとつとして「アイドル」は卒業するってことなのかな。
山口百恵さんみたいに「結婚します」みたいのでも面白いですよね。
日本のアイドルの渦の中心にいた 前田敦子さんの「アイドルで始まったんだったら、アイドルで終わるんだよ」っていう発言も思い出したりして。
だから、本来脇役である自分をヒロインだって見てくれる人は全力で幸せにしたいですよね。
ー今日最後の質問です。ねむちゃんは自分がアイドルじゃない?じゃあアイドルはファンの人達からなんて言われたら嬉しいんだろう?
「えー、私の場合は、でもちょっと歪んでるかもしれない。私は『今までありがとう』がいいな」
ーあ、分かる。それは本当に経験を積んで来ないと分かんない優しさだよね。
「泣きそうになる」
ー自分の役割を全うすると。
「なんかね、私が必要なくなるくらい幸せになってほしい」
ーその為に修行を積んで来てるわけだからね。でも一抹の送り出す切なさはあるでしょ?
「あります、あります。あるけど、それが一番の幸せだと思うから。忘れられて悲しいとかあるのかもしれないけど、やっぱりその人の一番つらい時を救ったんだったら、そうやってお別れするのが一番幸せだなって思います」
この本の巻末にも載っているこのブログに、こんな一節があります。
彼女の作品をちゃんと見たことがなかったけれど、彼女の美術家としての一面もまた目を引く。
兼ねてから、『美術を支えてきたパトロン、コレクターの存在』と『アイドルを支えてきたヲタの存在』の類似点とその変換を作品にしたいと考えてきました。
この人たちは、今最も優れたコレクターであり、文化を創る人だ、と。
自分がいいと思ったことを声に出し、資金を出し、時間を割き、支えること。こんな、書いてしまうと当たり前なことができること、私はすばらしいと思っています。
ちょうどツイッターをみていたら、今度こんな展示をされるんですね。
こりゃ、覗いてみたいなあ。
「私はみんながダサいと思ってたことだって、絶対これは格好良いんだっていう自信を持って今まで物を作ってきたから。でんぱ組 .incのことだって、『何言ってんの?これ超格好良いじゃん!』って思ってた。」
「いっつも一緒。作品てそういうことだと思うんですよね、私は。いっつも言ってる『本質を見よ』っていうところだけ。ちゃんと自分を通った情報を信じろっていう」
こんなふうに、本質を捉えようと 常に頭を働かせて 手を動かして考えているところが、彼女がとくべつ目を引く理由なのかな。
あと、絶対的な自信(愛情)。不安そうじゃないところ。「どや!」って。
多少の不安はきっとあるんだろうけど、それを見せないところ。それって、すごいとわたしは思うんですよね。プロ。でも、だからこそ、安心感・安定感がある。受け手側も信じられる。
ーアイドルっていうものは、どっかで空虚なものだという感覚に捕われてるとか?
「それもあるし、『何になるんだ?』っていうのを考えてはいけない人達だと思うんです。アイドルって、ファンの人だって、通り過ぎて行くじゃないですか。例えばつらい時に、でんぱ組を聴いて元気になってどこかへ行く。それを私はアイドルのいい在り方だと思ってるから、『ずーっと一生応援しててね』ってアイドルが言うのは変だと思うんです。だから、後に残るものがないのかなって、それはそれで考えてしまうんですよ」
平等とかを掲げてくる人たちに、怯える事なく不平等に。
【夢眠ねむ】あのね…実はわたし、夢眠ねむなんだ…【でんぱ組.inc】
でんぱ組 .inc 夢眠ねむ CM Google Android 「新しい毎日が動き出す」篇
このMVが一番すきだ、っていう選曲。
夢眠ねむ|魔法☆少女未満|わくわく運動会@MOGRA 秋葉原