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=== memo ===

こつこつ読書感想文📝

『よろこびの歌』宮下奈都(実業之日本社)

 

面白かったーーー!

わたしは、おんなのこの成長物語に弱い。

 

歌だけが素晴らしいなんてことはない。人格者でなければ歌えないわけでもない。私みたいな女子高生にも歌うことができる。

それが誰かの胸に届くかどうか、届いたとしたら、どんなふうに響いてその人の胸を揺さぶることができるか。それを知りたい。揺さぶるのが目的なんじゃない。

でも、私の歌を聴いた人の胸が揺さぶられたらどきどきするだろう。勝手に揺さぶられてよ、というのとは違う。だって、みるみるうちに顔が赤く染まったり、思わず笑顔になったり、逆に目に涙をためたり、呆気に取られたりしている人の顔を見るのはすごく励まされる。そう、励まされるのだ。私の歌がすごいんじゃない。私の歌で誰かのどこかを揺さぶる、つまり誰かのどこかに揺さぶられるものがある、ということに希望を感じる。胸が震える。うれしいとか、楽しいとか、悲しいとか、さびしいとか、いろんな気持ちをみんなが抱えている。歌によって共有することができる。

ここにいる2Bのみんなで歌う『麗しのマドンナ』が誰のどこにどんなふうに届くのか、わからない。それを考えるのは私たちじゃない。受け取る人の、自由だ。

講堂の端で待っている浅原に「よくやった」なんていわれたくない。いわせない。

言葉を失え。私たちの歌を聴け。

 

引用が長くなっちゃった。

途中で区切れなかった、まるっと大好きなシーン。

 

かると思い込んでいた音大付属高校の受験に失敗した「御木元 玲」が、「あきらめて」入学した新設の女子校。

夢に惑うおんなのこ達が、出会い、合唱コンクール、そして、うた をきっかけにそれぞれ何かを掴み成長していく物語。

 

「いい?未来の自分を思い浮かべるの。あたしたちの歌を聴いてくれるのは未来の自分だって。今のあたしたちはこんな『麗しのマドンナ』だよって見てもらおう」

 

ザ・ハイロウズの七つのうたのタイトルと共に。

 


よろこびの歌 THE_HIGH-LOWS