『かかわり方のまなび方』西村佳哲(ちくま文庫)
副題に「ワークショップとファシリテーションの現場から」とあるように、ファシリテーション、コーチング、ワークショップなどをされてる方たちのインタビューや講演などを書籍化したもの。
以前住んでいたシェアハウスのお姉さんに勧められて手に取ったのですが、とても感想を書きづらいです。
わたしがこの本にあるようなワークショップを受けたことがないから、というのもあるし、ひとりひとり読んで感じることや考えることが違うだろう、とも思うから。
自己啓発本にありがちな「こうあるべき」「こうなるべき」「自己変革することで世界は変わる」というように押し付けがましいことはなく、
むしろ「自己一致」のことを丁寧に掘り下げられている本だとわたしは感じました。
「わたしは、わたしになりたい。」
なにそれ?あなたはあなたでしょ、って言われるかも知れないけど、
これ、わたしの今年のテーマなんです。
自分がサービス業出身だからなのかもしれないですが、例えば会社の研修で「相手がしてほしいように相手に接する」とか習って来たんですよ。間違っていない。正論です。
ただ、そういうことを「地図」としないで、そのまま まるっと自分の考え無しに実行していたら、いつの間にか自分の頭と心の距離ができている気がして。
前回LINEスタンプのくだりで書いた「大人になるってことは、どこか諦めることだと思ってた。」もまさにそういうことだと。
「 i 」がないとメッセージは一般論になる。「人を殺しちゃいけないんだよ」と「自分は人を殺したくない」では、後者のほうが伝わるし健やかだ。それは反論というか、やり取りが可能だから。「 i 」が表明されていれば「あなたはそう思うんだね。でも私はそう思わないな」と、互いの居所からかかわり合うことが出来る。つまりコミュニケーションが成立する。
主語のないメッセージは語る本人は楽かもしれない。
その辺に転がっていた誰かの見解や常識を拾ってひょいと投げるようなもので、球そのものに自分が入っていない分、責任を意識せず放つことが出来る。
この本を教えてくれたお姉さんと話すとなぜかいつも自分でも忘れていたようなことがすこーんとでてきてびっくりすることがあります。
多分それは、この本にあるようにお姉さんが「自己一致」しているからなんだろうな。
この前も送別会で行ったはずなのに、ライブラリーでお姉さんをみつけ、気付いたら2時間くらいふたりでずっと話していました。わたしは置き去りにしていたことがなんと多いのか。
「人はある条件が揃いさえすれば、自分が進む道筋を自分自信で見つけ出していく能力を持っている」ことを確信していった。目の前で話に耳を傾ける人に「共感」「無条件の肯定的尊重」「自己一致」の三条件あれば。
「こうあるべき」なんて本当はないんだよね。そこに意志があれば。「わたしはわたし」なんだから。
ぜひ、ワークショップにも参加してみたいし、この本も定期的に読み見返したいな。