『はじめて考えるときのように』文:野矢茂樹 絵:植田真(PHP文庫)
「考える」ってどうすること?
「考える」について、やさしい口調で噛み砕いて一緒に考えてくれる本。
はじめて考えるときのように―「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫)
- 作者: 野矢茂樹,植田真
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2004/08/01
- メディア: 文庫
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わたしが思っていた「考える」は、
「問題解決に向けての作戦を練る」「あのこが喜んでくれそうなサプライズを探す」「今日の晩御飯のメニュー」とか、かな。
って、書きながら、これも考えるってことかなーなんて思っていたり。
「例をあげる」も「考える」かしら。出口がないから、違うか。
論理は考えないためにある
「ビジネスにおいては、論理的思考(ロジカルシンキング)が重要」なんて、よく聞くけれど、確かに、どういう風にやればいいのかあらかじめ方針が決まっていて、あとはその型にはめていくだけのことを考えているとは言えない。
「論理」は、答えを出す為の一本道。
「考える」っているのは、枝分かれしていて、道に迷って、何回も行き来していたら、突如、きらりと輝く答えに「ヘウレーカ!」と辿り着くものなのだろう。この本を読んで「考える」について「考えた」わたしの意見。
ことばがなければ可能性はない
ことばがなければ否定はない
わたしには、ないときがないから、ことばがない世界が想像できない。
日本語には「対等な関係における褒め言葉」が少ない。最近すごく面白かった事実。だからなんでも「かわいい〜!」って「ニッポンカワイイ」じゃないけれども、使ってしまうのですね。かわりに、と言ってはなんだけど、尊敬語や謙譲語は多い。お国柄かな。
(ざっと見たなかで、回答者さんの文面が好みだったので抜粋)
常識というのは、つねに、「どういうひとたちにとって」とか「どういう活動に関して」という限定がついたものになっている。
自分が常識と思っていたこと、そうして見えない枠として自分をしばっていたこと、それを共有しないひとが現れる。最初、それは非常識なひと、変なひとに思えるかもしれない。だけど、それが変だと感じることで、はじめて、自分があたりまえだと思っていたことを自覚するようになる。見えない枠が見えるようになる。
自分と常識を共有しないひとを否定するのって、早いし楽ちんだよね。
「嫉妬」を、見て見ぬふりしちゃうのも、そんな感じかなって。
結論、「相容れない」ってなる場合もあるのだろうけど、議論できるようになりたいなって。人間関係を築いていくには。諦められるより、諦めるより、そんなひとと一緒にいたいじゃない。
期限があるものに、そんな時間はかけていられない。
仕事だとそうなっちゃうのかな。自分の意見とあわないひとを、ばっさばっさ切っている上司を見てて、最近悲しくなっている。あ、これも否定か。
①問題そのものを問う ②論理を有効に使う ③ことばを鍛える ④頭の外へ ⑤話し合う
この5つが、上手に考えるためのヒント。
「考え方」なんて考えたことなかったよ。
あたまが硬くなってきたらまた読み返したい。哲学の入門書としてどうでしょう。
『多動力』堀江貴文(幻冬舎)
「ゼロ」
面白かったな。ゼロでは、何を掛けてもゼロにしかならない。行動することでイチを足していく。行動さえ起こしていないのに、何もできないのは当たり前だ。
「ゼロ」なんだから。
こう思い返してみると、メッセージは常に一貫している。
重要なことは、Just do it. Just do it.
ただ実践することだ。失敗して転んでも、また実践する。膝がすり傷だらけになっても、子供のように毎日を夢中で過ごす。
好きこそ物の上手なれ。
本を読まずにテレビなどで拝見する限りの勝手な印象では、「過激な発言が多い方」なんだけど、そんなものはやはり側面でしかない。
教養の高さ、先見の目、そして、多動力。
好奇心旺盛で、日々、ワクワクすることだけを追い求めているからこそ、今の彼があるんだろう。すてき。
自分的にハッとした一節を抜粋。
「●●をしたい → ●●が必要」というのが筋であって、「●●を持っている → ●●をしないともったいない」というのは大体うまくいかない。
□その仕事を半分の時間で終わらせる為の「一工夫」を考えよう。
□10冊の流行のビジネス書を読むよりも、1冊の骨太の教養書を読もう。
→サピエンス全史
「やりたいこと」ではなく「やらなくてはいけないこと」をするように矯正され、バランスの取れた大人になる。
何か具体的な目的のための手段として人生を送ってはいけない。
楽しむことだけがすべてなのだ。
好きなことを好きなだけやっていると、手元に何かが残っているのだ。
人は「おもしろい」「ワクワクする」と感じられれば、時間を忘れて目の前の体験に没頭できる。
自分の手の内のなかから、やりたいことを選んでいた気がするなー と
この本を読んで思った。
例えば「プログラムが書けるから、WEBのコーダーになりたい」とかさ。
実際、今やっているWEB開発はワクワクする。その理由は「色」があるから。設計書もなく自分勝手に自分の好みで色を選べる。
画面がきれいだとうれしい。みんなが喜んでくれる。
ほら、なんだかやりたいことの本質は違う気がする。
現状に満足してては、いけないのだろう。
確かに彼は天才なのかもしれない。けれど、他の人よりも多く行動し、手を動かしてきた人だ。
その事実に勇気がもらえる本。
Just do it.
『博士の愛した数式』小川洋子(新潮社)
博士の記憶は、80分しか持たない。
博士と、家政婦の主人公とその息子「√(ルート)」との親愛の記録。
算数・数学が嫌いな学生さんにぜひ読んでもらいたいな。
博士はしばしば、自分の導き出した回答に満足しつつ、
「ああ、静かだ」とつぶやいた。
正解を得た時に感じるのは、喜びや解放ではなく、静けさなのだった。あるべきものがあるべき場所に収まり、一切手を加えたり、削ったりする余地などなく、昔からずっと変わらずそうであったかのような、そしてこれからも永遠にそうであり続ける確信に満ちた状態。
博士はそれを愛していた。
数式ひとつにも物語がある。
なにごとも愛があるひとから説明されると、自分にもその愛情が伝染する気がする。